ハロウィンがやってくる

ハロウィンといえば、 こどもが3歳の頃の仮装パーティーを思い出す。公園で知り合ったインド人親子と親しくなり、自分の家が狭いので、彼女の広い家を会場にしてもらい、近所の3,4歳のこどもたちとママたち10人位が集った。

魔女の宅急便のヒロイン・キキに扮した男の子、お姫様、忍者など、こどもにコスプレをさせて行く約束だったが、27,8年前のこと。

 まだ、ハロウィンは知られていない時代を先取りしていたのだ。ママは皆美味しいごちそうを手作りして一皿ずつ持ち寄り、楽しいランチタイムを過ごしたものだ。

 しかし、この頃から私のこどもは自意識過剰だったから、頑としてコスプレをしなかった。そこで、わたくしは黒いゴミ袋に目と手を出す穴を開けて、真ん中には1つ目と舌を紙に描いて貼り、自宅から会場へ歩いていった。

 会場に「ばあーっ!」とおばけの真似をして両手を胸の前で垂れて、登場すると、インド人の女の子は「うわーん」と泣き出した。本物のオバケが来たと思ってくれたのだ。おかしくて、嬉しくて、そして、驚かせたことが申し訳なかった。