千両がやって来た

約束した場所、時刻に待っていても彼女は来ない。もう30分も経過している。もしかしたら、何かあったのか。別の時刻、場所と勘違いしているのか・・・。と思っていたら、彼女は現れた。

chosu-manmaは彼女が指定した店の前で待っていたのに、駅の改札口で待っていたらしい。約束より10分位前に改札を出ているとは思えなかったのだろうか。

 

ある趣味の会で知り合ったTさん。70歳位だが、他の人の分はないからと、昨年12月26日、教室の外の駐車場で趣味の会を終えてchosu-manmaが来るのをを待っていたが、会えなかった。29日に千両をお渡ししたい、と電話がかかってきたのだった。Tはchosu-manmaが杖をついているから、バスと電車を乗り継いで教室に来ているとは思わなかったのだろう。しかし、chosu家に自家用車はなく、chosu-manmaに運転免許証はないのだった。

 

二人が互いの携帯電話の番号をう交換していなかったから、こうなったのだが・・・。

しかし、その後、ふたりでコーヒーを飲みながら話してみると、彼女が本当に優しい人だとわかった。彼女は、50年も前に知り合ったフランス人旅行家と今も交流があり、時々渡仏してパリに数ヶ月滞在し、ともにヨーロッパ各国を旅したり、日本にその人が来たときは自宅に一ヶ月間泊めたりする間柄なのだそうだ。

なんて、素晴らしい。彼女は英会話ができるので、ツアーではない自分で予定を立てて、個人でパリからどこへでも行って来たという。それは、フランスの旅行家の影響だそうだ。少しだけ持ってきていた、旅の思い出の風景のカラー写真も見せてくれた。

世界を旅したお話を、また聴かせて下さいと別れたが、あまりにもTさんが嬉しそうなので、こちらも嬉しくなった。

実は、Tを悪く言う人がいてその人のあだ名は「死神」なのだが、死神はTをよく知らないから、「ものすごくひどい女で、常識のない人」というのは当たらないことがわかった。