Kちゃんから電話

二週間以上家出していたKちゃんから、電話がかかってきた。こちらから、毎日のように電話していたのは無視していたのに。

家の近くのホテルに泊まっている。長く家出していたから帰りづらいという。「いやあ、無事で良かったよ。どこにも行くところがないのだから、だんなさんが心配しているよ、帰ったほうがいいよ」と伝えたが、「だんなさんに、家に帰ってもよいか尋ねてあげようか」と訊くと「尋ねてくれてもいいよ」とのこと。すぐ。彼女の家に電話する。

しかし、しょっちゅう家出するので、だんなさんは「家に誰もおらんかった」と言ってくれ。という。

Kちゃんは、何故か「遊びに行きたくなる」衝動を抑えられないのだそうだ。ただ、何日から何日まで、どこへ誰と行くというのを一切言わずに出奔する。

二週間以上も、外にいられるほどのお金を持っていったのだろうか。

今回、Kが初めて自分には遠くに女友達がいて、「もっとずっとここにいて」と引き止められていたと言った。

 

軽い知的障害のあるK。彼女は嘘つきでもある。もしかしたら、心の中にいるもうひとりの自分が友達なのだろうか。