クロアゲハ飛び立つ

今朝、食卓の上に置いてそっと観察していた蛹から、chosu-manmaの目の前で蝶となったアゲハが、ゆっくりもぞもぞと出てきた。

 10日前、部屋の修繕にやって来たペンキ塗りのおじさんが、蛹を見つけてぽいとベランダの床に置いていったのを、chosu-pampaが拾い、ずっとチーズの丸い紙の入れ物の中に入れて、彼女の羽化を家族皆で待っていた。今朝、08:52から殻が割れ、転がりながら古い容れ物を脱いでいった。chosuとふたりで、撮影に成功。

 翅を伸ばし、乾くまでに一時間くらいかかっただろうか。

彼女は無事に、わが家のベランダから下に生えている木に向かってひらりと飛んでいった。というのは、羽化しても翅が奇形だったり、寄生虫が出てきたりの個体も見てきたからだ。

 大きな蛹だったから、多分クロアゲハだろう、と見当をつけていたらやはり。なんと美しい姿に変身するのだろうか。まさにメタモルフォーゼ。

 虫は神がお作りになったとは到底思えない。あまりに精巧で複雑怪奇な姿だから。地球と時間が彼女たちを作ったのに違いない。

 彼女は、転居してきたこの森の母さんアゲハのこどもだ。

 いま、わが家には最終令のでかい幼虫が二匹と、生まれて3日めくらいの黒い幼虫の赤ちゃんがいる。夏みかんの葉を黒くしてしまう白いカイガラ虫を、また駆除してやろう。白い綿のような小さい虫は、殺しても殺してもまた蘇って来る。気持ち悪いが、彼らも必死なのだろう。ごめんね。