友人の快挙

あれは36年位前だったろうか。

ある懸賞に当選して、海外旅行グルメの旅が優待代金半額で行けることになった。一等は無料招待だった。

chosu-manmaは、「せっかく当たったのだから、行かねばならん」と思った。ひとりでも。しかし、父が女の一人旅は心配だからと、「弟と行きなさい。それなら、許す。」と言って、二人分の旅費を出してくれたのだった。

その旅行中、この人は無料招待者だろうと思っていたのが、Bさんだ。

彼も弟と来ていた。

住所を知り、手紙を出すと返事が来た。以来、文通を続けている。

前回会ったのは、27年前。親戚の叔父の引退旅行の帰りに立ち寄ったときだ。

Bさんは、喜色満面。chosu-manmaからの便りを、大切に取っていてくれて見せてくれるのだった。近所の蕎麦屋から、手打ちそばを取ってくれて、ご馳走してくれた。

chosu-manmaはこの蕎麦の太さがまちまちだったので、非常に驚いたものだ。まさに、親父が銀色の四角い包丁で切っている「手打ち蕎麦」なのだろうが、田舎じみているというか、その味わい深い風情に感心して笑うと、「これが面白く、うまいのだ」とBさんも笑った。

 

さて、過日。

70歳を過ぎて、Bさんはある国と日本の友好のエッセイを書いて、第2席に選ばれた!彼はある国に憧れて、その国の言葉を学び続けて、もう30年近いという。

その知らせを聞き、「是非駆けつけます、日時を教えて」とchosu-manmaは、即返事を出した。

カそしてメラマンとしてpampaを同行させて、取材に行った。自分紙の次号、一面に掲載するためだ。

いよいよ、式。不手際丸出しの司会ぶりだったが、それもご愛嬌。

ふたりで、Bに拍手喝采してきた。表彰式に集まった観覧客は、スタッフと関係者だけ。こじんまりした集会だったが、Bさんは「夢のような日だった」と感想を言った。

地元新聞にも、大きく取り上げられたそうだ。

Bの作品は、若者ばかりの受賞者の中で、異彩を放っていた。現地に行ったものでなければわからない、気づけない小話が満載で、くすりと笑える。実体験に基づいたものだった。それな、またたくまずして、社会風刺、その国の時評も表現されているものだった。

っして、味わい深い。

おめでとう!

Bさんは、受賞の前に奥様と弟さん、chosu-manmaとpampaたちとランチしよう、と言って奢ってくれるのだった。おしゃべりも楽しく、Bさんが「うまい、コーヒーもうまい」と喜ぶ姿がまた場を盛り上げるのだった。