ドクター・キリコ
ブラックジャックをリアルタイムで、読んでいた。毎週読み切りか前編後編という形で、手塚先生がブラックジャックによって、どんな難病者も鮮やかに治療していった。背景には、自然破壊を止めない人類への警鐘、社会批判も描かれていた。
一方、安楽死を願う患者を「助け」て注射一本で「救う」ドクター・キリコも、手塚先生は描いていた。アンチテーゼとして。しかし、苦しみを長引かせるだけの状態の人を一息に昇天させるのは、もしかしたら究極の治療なのかもしれない・・・。
日本には 安楽死法がない。
スイスまで行って、安楽死を選択する人もテレビで紹介されていたが・・・。
今回ALS 患者で51歳の女性が、ネットを使って自分を殺してくれる医師を探し当て、100数十万円の報酬を支払い、思いを果たした。
医師二人は、「殺してみたかった」のだろうか。あるいは余罪があるかもしれない。
事件の詳細を知りたい。
『ブラックジャック』を読んで、ドクター・キリコに憧れるこどももいるのか。キリコになりたいと、猛勉強をして
医師になって『老人を枯死させる方法』なる本も著しているという。
嘱託殺人は、命を守る職業の人が請け負い始めると大変なことになる。
現に、世界では何百人も安楽死させた医師や看護師がいる。
それにしても、なんという過酷な病気なのだろう。ALS!
動けなくなって死んでいく。原因はわからない。
だが、今回の当事者は非常に美しく賢い、社会的にも成功していた女性だったようだ。
日々どんなに、苦しかったことだろうか。
だが、彼女が病気になっても、変わらず慕ってくれる人はいたはずだ。自分の姿を見せたくなくて、人との交流をすべて断ってきたのだろうか。
同病で、人工呼吸器を装着せず死んでいく人も少なくないという。
ふなご議員は、「生きる権利」が誰にもあることを、いち早く表明した。