ジロコ

三河地方に住む、中学時代の友人が次郎柿を一箱送ってくれた。

甘くて美味しい。熟すまで待っていると、全部いっせいに柔らかくなりすぎてしまうから、毎日食べている。

大小ふたつの人形を作って、chosu-manmaは入院帳中の守り神とした。

彼女たちの名前を、柿にちなんでひとりは、ジロー。もうひとりは、ジロコ。小さい方のジロコをベッド脇のタオル掛けの横棒に挟んで、眺めていた。

食事はジロコと向き合って食べた。

ジロコはなんにも言わないけれど、chosu-manmaの気持ちがよく分かる。「怖いんだね」「美味しいんだね」「薄味すぎるんだね」「あたしが守っているから、chosu-manmaは、きっと治るよ。手術は成功するよ」

chosu-manmaの担当の、ドクターXは自信満々で「私、失敗しないから」という女医だった。